「カラオケ業界の雄」シダックス大量閉店!閉店リスト、その真相、理由とは?
シダックス大量閉店の概要
カラオケシダックスが2016年4月から8月末までに52店舗を閉店させました。
8月末だけでも44店舗と大量閉店です。
中には2004年開業した当時話題の渋谷店も含まれていました。
その原因などを探ります。
シダックスの歴史
さて考察の前に、軽くシダックスの歴史をおさらい。
シダックスは1959年に富士フィルムの社員食堂の請負からスタートした企業でした。1991年にコンビニなども立ち上げました。同年ファミレスをカラオケ店に改修し実験導入。1993年には、本格的に参入しました。そう、レストランカラオケとして。1号店は立川。1998年には業界1位になり王者として君臨しました。
2004年前述の渋谷店を旗艦店としてOPENさせた時は300店舗。2007年にはカラオケ事業だけで600億の売上を記録しています。輝かしい経歴ですね。
閉店の背景は??
ズバリ!「大型店の郊外戦略の終焉」でしょう。シダックスといえばとにかくでかい。駐車場付きの店舗もザラで、複層階で人件費はもちろんのこと、維持費が莫大だったことでしょう。加えてレストランカラオケというコンセプトのもと、このあたりのコストも倍プッシュだったに違いありません。儲かっているときはいいのです。
しかし時代は「小型ドリンクバー付格安店」の時代になりました。「カラオケバンバン」、「歌広場」、「まねきねこ」の台頭です。
歌広場は都心中心の展開のため、せっかく都心に進出したシダックスも苦戦。しかも都心にはカラオケレインボー、カラオケパセラ、カラオケマック、カラオケの鉄人など新興勢力もある。この辺もパセラ以外はすべてドリンクバー付です。厳しいはずです。単純にレッドオーシャン。
一方バンバンとまねきねこは郊外から店舗展開していたため、これまたシダックスは大苦戦。不景気の波もあり、顧客は格安店に移行しました。
結果2010年に業界1位の座からまねきねこに引きづり降ろされました。店舗数では、ビックエコー、バンバン、まねきねこなどに次ぐ4位となっていったのです。
2016年末までにシダックスは200店舗前後となりました。
シダックスの失策
時代の波とは違う方向で高級路線を中途半端に進めたのが失策。あれだけのコストがかかる店で、コストを見直さずに「安売り」を単純に仕掛けたりしたのが間違いでしょう。
事実同じ高コストであろうパセラリゾーツは、顧客満足度2年連続受賞の栄冠を手にしています。これは、事業の内容もそうですけど、アニメコラボなどの企画や、名物ハニートースト、設備面などが顧客に受けているからです。
そしてコストに関してはシダックスOBの現場の人間が、どんぶり勘定だったとも話しているそうです。
現在のシダックスのグループにおけるカラオケ事業の売り上げは?
2016年3月期は売上307億(16.7%減)、21億の赤字転落。(前期は15億の黒字)
グループにおける売上は2割に満たないとのこと。
カラオケ事業はもはやお荷物状態だったわけです。
「カラオケ事業の撤退はない」とのことで、今後はインバウンド向けに改装、ランチ需要のてこ入れを行うとのことです。大丈夫か?色々お世話になったシダックスには頑張ってほしいです!
ちなみに閉店店舗のほとんどはカラオケバンバンなどの居抜きビジネスモデルの雄が、受け継いでいるようです。